事務所通信

2015年5月14日 木曜日

無予告調査の要件①

お疲れ様です。熊野でございます。

本日は、「会社経営者が知っておくべき税務調査の知識_第69弾」として、

「無予告調査の要件①」

をお送りいたします。


税務調査は大きく分けると2種類あります。1つは、通常行われている税務調査で、事前に「調査に行きますよ」と予告されるものです。そしてもう1つが「無予告調査」と呼ばれるもので、予告なくいきなり税務署がやってきます。

 無予告調査については、通常飲食店などの「現金商売」の方々に行われるのですが、実はそうとも限らないのが難しいところです。

 国税庁が一昨年発表している資料によると、法人の1割、個人事業主の2割が無予告調査となっていますから、確率的には高いものであることがわかります。

 さて、この無予告調査ですが、一昨年までは法的な要件はありませんでした。つまり、税務署の勝手な判断で、事前に予告するかしないかを勝手に決めていたというわけです。

 しかし、昨年から法改正が行われ、無予告調査は法定化されることになりました。まず法律を見ておきましょう。

国税通則法第74条の10(事前通知を要しない場合)
前条第1項の規定にかかわらず、税務署長等が調査の相手方である同条第3項第一号に掲げる納税義務者の申告若しくは過去の調査結果の内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁等若しくは税関が保有する情報に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、同条第1項の規定による通知を要しない。


 ここにいう「前条」とは税務調査の事前通知をすることを明記した法律規定になります。つまり、法律では「違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には」、事前の予告なく税務調査を行うと規定したわけです。


 これはかなり大きな改正といえます。なぜなら、今までは現金商売などではなくても、ある日突然税務署の調査官がやってきて、「今から税務調査をします」と言われるわけです。これでは税務調査に備えるなどできませんし、何よりその日は仕事にならないわけです。

 では具体的に、無予告調査をする要件というのはどのようなものなのでしょうか?法律の文章だけ読んでもよくわかりませんので、次回詳細を解説したいと思います。


投稿者 熊野雅樹税理士事務所


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